今シーズンも、山口ラッコ隊様と協力し、県内8校の学校で、浮いて待て講習会を実施しました。
ありがとうございました。
「ういてまて」とは
「ういてまて」とは、衣服を着た状態で海や川に転落するなど、水の事故に遭遇した際、背浮きの状態で呼吸を確保し、できるだけ体力を使わないように救助を待つことで、助かる可能性を高めるサバイバル術です。
「ういてまて」の原理
人間の体は息を吸って肺に空気をためた状態であれば体の2%は浮くことができます。
その2%を口と鼻にすることで呼吸しながら浮くことができます。
だから、背浮き(ラッコのような態勢)の状態で「ういてまて」を行います。
「ういてまて」のポイント
「ういてまて」のポイントは次の5つです。
①しっかり息を吸って空気をためる
大きく素早く息を吸い、肺に空気をためた状態で息を止めます。
苦しくなって息を吐いても、すぐに吸ってそのまま止めるようにしましょう。
②あごを上げる
あごを上げることで口と鼻がしっかりと水面から出ます。
逆にあごを下げると、頭が水面から出て、口と鼻は沈んでしまい呼吸ができなくなります。
③手は水面からださない
浮ける部分は体の2%です。
手を水面から出すとその分、体が沈んでしまいます。
ペットボトルなどの浮き具を持つときも、腕で抱きかかえるようにしてしまうと、体が沈んでしまいますので、手を少しだけ出して浮き具を持つようにします。
④全身の力を抜く
全身に力が入ると沈む原因になるほか、余計な体力を使ってしまい、長時間浮くことが難しくなります。
⑤手足をひろげる
手足を軽く広げることで、体全体が安定します。
※靴は履いたまま「ういてまて」を行ってください。
靴には浮力があり「ういてまて」の助けになります。
靴だけでなく、服にも多くの空気が含まれているため、浮きやすくなります。
溺れている人を目撃した場合
溺れている人を目撃した場合は、次の3つの行動を行います。
①助けを呼ぶ(119番通報する)
すぐに助けを呼び、119番通報を依頼しましょう。
一人で対応しようとするのではなく、可能な限り複数人で対応しましょう。
②浮き具をわたす
ペットボトルや浮輪など、身近にある浮くものを探し、溺れている人にわたしましょう。
今にも沈みそうな状況であれば、第一優先に行いましょう。
③「ういてまて」と声をかける
「ういてまて」と声をかけ続けましょう。
声をかけ続けることで溺れている人は安心し、冷静さを取り戻すきっかけになります。
※絶対に飛び込んで助けに行ってはいけません。
どんなに泳ぎが得意な人であっても、溺れた人を生身の身体ひとつで救助するのは極めて危険な行為です。
溺れた人は、本能的にものすごい力で抱きついてくるため、子供であっても、救助しにきた大人をまきこんでしまいます。
ライフジャケットを着よう
川や海に遊びに行くときには、必ずライフジャケットを着ましょう。
ライフジャケットを着ることで誰でも簡単に、長時間「ういてまて」を行うことができます。
また、ライフジャケットを着ることで、着てない時に比べて生存率が約2倍という統計データもあります。
大切な命を守るために、必ずライフジャケットを着るようにしましょう。
「ういてまて」を身体で覚えよう
溺れた時は絶対に誰でも慌てます。
慌てるということは、普段できることができなくなる可能性が高いです。
だから、慌てていることを前提に、身体で「ういてまて」を覚える必要があります。
そのためには、継続して「ういてまて」を訓練する必要があります。
海やプールに遊びに行ったとき10秒でもよいので、「ういてまて」の訓練をやってください。
ほんの少しでも良いので続けてやることが重要です。
水の事故から命を守るために、継続して「ういてまて」をやっていきましょう。
山口消防防災探究会は、水の事故による死者0を目指し、これからも継続して「ういてまて」をみなさんに伝え続けていきます。
浮いて待て講習会を受講したい方は、ぜひ、気軽に相談して下さい。
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