地域防災リーダー養成研修を実施!

先日、岩国市が開催する「地域防災リーダー養成研修」の講師依頼を受け、自主防災組織員、自治会員、消防団員、防災士の方々に対し、防災についての講義をさせていただきました。

今回初めて岩国市から依頼をいただいたということもあり、大変光栄に思いましたし、今後、防災リーダーを目指す人のための研修ということで、講師として非常にやりがいと責任を感じた研修となりました。

テーマは地震です。

約70分の講義時間の中で、

  • 防災対策:地震が起きる前の準備
  • 避難対応:地震が起きてからの対応

についてお伝えしました。

この場で紹介させてもらうのは防災対策の中の「非常持出品」についてです。

以下、講義の中で説明した、非常持出品についてを一部、紹介します。

目次

非常持出品の種類と持出品リスト

このテーマの話しになると、「非常持出品って何をどれだけ準備したらよいですか?」という質問をよく受けます。

しかし、それだけでは私も答えようがないので、「その非常持出品は、どんな用途(目的)で使用しますか?」と尋ねます。

するとほとんどの方が、非常持出品を使う用途を想定しておらず、ただ漠然と「○○があったら便利、○○があると安心」という情報だけにとらわれていることが分かります。

なので、私はどんなものを準備するのかという話しをする前に、まずは、「非常持出品は使用用途により3種類に分けられる」ということを伝えます。

それが、

  • 常備持出品 
  • 一次持出品 
  • 二次持出品 

の3種類です。

以下、詳細を説明します。

常備持出品

常備持出品とは、いつどこで被災しても必要最低限のものが準備できるよう常に持ち歩くものです。

ポーチなどのコンパクトで軽いものに入れ、常時持ち歩ける大きさにします。

📌防災カード

防災カードとは、家族の連絡先や災害種別ごとの集合場所などを記載したカードです。

家族1人1人に持たせることで、大規模な災害が起きた時でも、生存確認や集合場所に落ちあえるといったことに繋がります。

また、万が一、子供が一人になった時でもこのカードが必ず力になってくれます。

一次持出品

一次持出品とは、災害時にすぐに持ち出して逃げられるコンパクトな必要最低限の備えで、避難して3日分を目安に準備するものです。

(公助の要となる消防、警察、自衛隊は、発災後最初の3日間は人命救助最優先で動くため)

リュックに入れておくと、持ち出したときに両手が使えて便利です。

重過ぎて避難時に支障が出ないよう、必要な物を厳選し、重たいものが上になるようリュックに入れます(男性15kg、女性10kgが目安)。

また、一次持出品は、寝室や玄関などのいつでも持ち出しやすいところに置くようにしてください。

📌災害時に必要な飲料水の量

1人1日に必要な飲料水(飲料用+調理用)の量は3Lと言われています。

よって、3日分の飲料水は9Lなり、この量をリュックに入れて避難するのは現実的ではありません。

ではどうするか?

それは現地で調達しましょう。

携帯浄水器があれば、誰でも簡単に飲料水を確保することができます。

川の水などでも、本体に水を通すことで、ろ過され、一瞬で飲料水を確保できます。

通販などで簡単に購入できますので、ぜひ備えておくことをお勧めします。

📌携帯トイレ

災害時には断水や停電で水が流せなくなります。当然、仮設トイレもすぐには届きません。

そのような状況で避難した人たちがトイレを使ってしまうと、一瞬でトイレが汚物であふれ不衛生な環境になってしまいます。

このような状況は災害の度に毎回見られ、感染症等まん延の大きな原因と言われています。

なので携帯トイレを備えましょう。携帯トイレは1人1日5回×7日分は最低備えましょう。

📌電池式モバイルバッテリー

電池式モバイルバッテリーを備えておけば、電池さえあれば何度でもスマホの充電ができます。

スマホは貴重な情報源ですので、災害時は常に使える状態にしておきたいものです。

二次持出品

避難後に安全を確認して自宅へ戻り、救援物資が届くまでの7日間を過ごすためのものです。

ライフラインが止まったことを想定し、自給自足ができる物品を備えておく必要があります。

二次持出品はキッチンや玄関、押入れ、物置、倉庫、車のトランクなど分散して置くと万が一、取り出せなかった時の保険になります。

📌耐熱性ポリ袋を使用した防災食作り

災害時には水が不足、電気やガスが止まります。

その中でも、温かく栄養のある食事をつくる方法が、耐熱性ポリ袋を使用した防災食作りです。

必要なものは…

  • カセットコンロ
  • カセットボンベ
  • アルミホイル
  • 耐熱性ポリ袋
  • 食材(米や缶詰など)

これさえあれば、災害時でも温かい栄養のあるものを簡単に作ることができます。

カセットボンベが6本あれば、4人家族で1日3食した場合でも、1週間はもちます。

水は繰り返し使えるため水不足の中でも使えます。耐熱性ポリ袋はスーパーやホームセンターなど、簡単に購入できます。

作り方(米の炊き方)は、耐熱性ポリ袋に、米と水を入れて約30分湯せんするだけです(鍋の下にアルミホイルを敷いて下さい)。

水の量は、米1に対して水が1.2です。

食材によって、パスタやカレー、炊き込みご飯などいろいろできます。

まとめ

非常持出品に正解はありません。

上記リストはあくまで参考であり、重要なのは、使う用途(目的)を想定することと、自分自身で必要なものを考えることです。

自分の命は自分で守れるように、自身でしっかりと考え、備えましょう!

さいごに

防災リーダーとは、地域で率先して防災活動を実践できる人材です。

つまり防災リーダーとは、リーダーとして地域の人達を動かすことが求められています。

「人を動かすのはちょっとハードルが高いかも・・・」と思う方。

大事なのは、自分のできることを、できる範囲でやることです。

周りを動かそうとして意識を変えることに訴えるのではなく、まずは知ってもらうことから始めましょう。

人は知らないことに対して、意識を高く持つことはできません。

だから、まずは知ってもらうこと、つまり、知識を得ることから始めましょう。

知識があれば意識が変わり、意識が変われば行動が変わります。

「地域の防災力を上げたい」と思う防災リーダーのみなさん!ぜひ、山口消防防災探究会にご相談ください。

私達が本気で力になります!問い合わせは、ホームページから気軽にどうぞ!よろしくお願いします。

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