【開催報告】US&R研修会in佐賀|消防職員が学ぶショアリングの基本と「生きて帰る」ための技術

この記事では、2026年4月25日に佐賀県で行われた、倒壊建物から命を救うためのUS&R(都市型捜索救助)研修の様子をレポートします。

目次

命を護るために、私たちが学ぶ理由

令和8年4月25日、佐賀県武雄市において、山口消防防災探究会主催のUS&R研修会 ショアリング基本編を開催しました。

九州各地から消防職員が集まり、倒壊建物を想定した実践的な訓練を実施しました。

また、本研修会の開催にあたり、会場手配等でご尽力いただいた株式会社FIRE様、資機材の提供および取扱い説明にご協力いただいた株式会社マキタ様に、心より感謝申し上げます。

現場に近い環境と実践的な資機材のもとで訓練ができたことで、非常に有意義な研修会となりました。

座学:US&Rの本質と現場判断

座学では、US&Rの基本から現場での判断力までを体系的に伝えました。

  • US&Rとは何か
  • US&Rの現状と必要性
  • ショアリングの基本
  • 実施判断(どこに、なぜ設定するのか)
  • 実施要領(サイジング、荷重、設定方法)
  • US&Rで目指す未来

特に強調したのは、

「隊員の命を守るために最優先で行う技術がショアリングである」という点です。

そしてもう一つ。

特別な資機材がなくても、工夫次第で実施できるということ。

“できない理由”ではなく、“どうやればできるか”

その視点を共有しました。

実技:現場そのものを再現した訓練

実技では、実際の現場を想定したショアリング訓練を実施しました。

まず、現場活動の一連の流れを展示形式で実施。

STEP
状況評価

(倒壊パターン、危険ゾーン、進入経路の判断)

STEP
活動計画

(進入方法、ショアリング位置・方法の決定)

STEP
サイジング・カッティング・組立て
STEP
進入・設定

この流れを具体的に示し、「現場でどう動くか」を明確にしました。

その後、参加者は2チームに分かれ、

  • Tポストショア
  • ダブルTポストショア

を用いた訓練を実施。

また、

  • 狭隘空間での活動
  • 資機材が限られた状況での対応
  • チーム内での役割分担と連携

など、現場を意識した実践的な内容で進めました。

単なる“作業訓練”ではなく、

「生きて帰るための訓練」として取り組みました。

最後に伝えたこと

私がこの研修会で一番伝えたかったこと。

それは、命の大切さ、そして日常の大切さです。

US&Rは、目的ではありません。

大切なものを護るための「手段」にすぎない。

家族を想う気持ち。

地域を大切に思う気持ち。

日常を大切に思う気持ち。

その想いがあるからこそ、「護りたい」と心から思える。

だから私たちはUS&Rを学ぶのです。

想像することから始まる

※イメージ画像です。
実際の災害現場画像ではありません。

実際に災害を経験していない人に、危機感を持ってもらうことは簡単ではありません。

しかし、愛する人を失う苦しさは、誰にでも想像できる。

だからこそ、被災者や現場で活動した人の言葉には、重みがあります。

それは、他人事を自分事に変える力を持っているからです。

明日が来るとは限らない

明日が来ると思わないでほしい。

大切な人との時間が、明日も続くと思わないでほしい。

だからこそ、今この瞬間を大切にしてほしい。

後悔がないように、熱く、生きてほしい。

共に護るために

大規模災害が発生すれば、最前線に立つのは、私たち消防です。

限られた環境の中で、一人でも多くの命を救うために。

そのために必要なのが、US&Rです。

技術は、命を護るためにある。

そしてその原点は、“想い”です。

共に護ろう。

私たちはこれからも、命を護るために、学び続けます。

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