令和8年8月13日から15日までの3日間、山口消防防災探究会から山本1名が熊本県宇城市での災害ボランティア活動に参加しました。
今回の活動は、連携団体である災害ボランティア愛知人のメンバーとともに実施し、宇城市松橋町・豊野町・小川町において、地震により被害を受けた住宅の屋根を中心とした応急対応を行いました。
8月13日の活動(宇城市松橋町)

8月13日は宇城市松橋町で活動しました。
瓦のずれやルーフィングの破損が発生した住宅において、約80枚の瓦を撤去し、ブルーシート及びシルバーシートによる補修を実施しました。

また、地震後に窓のサッシが動かず施錠できなくなり、防犯面で不安を抱えていた家主から相談を受け、サッシや鍵受け金物の調整を行いました。

さらに、台所下の外れていた束石の修正や、不安定となっていたブロック塀の撤去・応急補強など、住宅内外の困りごとにも対応しました。
8月14日の活動(宇城市豊野町)

8月14日は宇城市豊野町の高齢者宅で活動しました。
母屋と納屋の接合部などから雨漏りが発生していたため、ブルーシートによる養生を実施しました。

また、地震により変形していた板金屋根について、内部の状態を確認し、割れた瓦を取り除いたうえでブルーシートによる応急処置を行いました。
8月15日の活動(宇城市松橋町・小川町)

8月15日は、宇城市松橋町及び小川町で3件の活動を行いました。
1件目は松橋町の解体予定の住宅で、家財等の片付け・搬出作業を実施しました。
高齢の兄妹2人が居住しており、9月1日にアパートへの引っ越しが決まっていました。
作業にあたっては、建物の被災状況を確認し、安全管理を行った上で、必要最小限の人員で屋内作業を実施しました。

家具等の搬出・移動を行い、衣類等についても家主の意向を確認しながら、残すものと処分するものの整理を支援しました。
山本は搬出作業終了後、仕分け作業の段階で離脱し、小川町の次の活動場所へ移動しました。
2件目は小川町の解体予定の納屋で、道路へ瓦が落下する危険があったため、不安定な瓦の撤去作業に途中から合流しました。

下屋がたわみ、角材で支えられている状態であったため、安全に十分配慮しながら作業を実施しました。
瓦を下ろす際にはコンパネを使用して飛散防止を図り、地上にはブルーシートを敷いて破片を回収しやすい環境を整えました。
3件目も小川町の高齢者宅で、棟瓦の撤去及びブルーシートによる応急対応を実施しました。
棟瓦のほとんどが下屋へ落下していたため、棟に残っていた不安定な瓦をユニックを使用して撤去し、土を土嚢袋に詰めるなど、翌日のブルーシート張りに向けた準備を行いました。


活動を通じて実感した課題と支援の重要性
今回の活動を通じて、高齢者世帯を中心に、高所作業や力仕事など、被災された方だけでは対応することが難しい作業が多く残されていることを実感しました。
また、住宅の大きな被害だけではなく、「窓の鍵が掛からない」「瓦が落ちてきそうで怖い」といった、一見小さく見える困りごとも、被災された方にとっては日々の生活に大きな不安を与えています。
修理後に涙を流して喜ばれる姿から、一つひとつの困りごとを解決することも、被災された方が安心を取り戻すための大切な支援であると感じました。
現地では、行政や社会福祉協議会の方々自身も被災しながら対応にあたっており、すべての被災状況やニーズを把握することが難しい状況も見受けられました。
そのような中で、民間の災害ボランティア団体が現地に入り、関係機関と連携しながら、公的支援だけでは対応しきれない部分を支援していくことの重要性を改めて認識しました。
31年前の被災経験と「恩返し」の想い
今回参加した山本自身も31年前の震災で被災した経験があります。
当時、火災も消すことができず、誰も助けることができない中、消防器具庫の前で途方に暮れ、無力感に襲われていた際、他県から駆け付けた三重県の救助隊から「大丈夫ですか」「大変でしたね」と声を掛けてもらい、その言葉に救われた経験がありました。
今回、活動中に熊本県警の方と話す機会があり、山口県から支援に来ていることを伝えると、「他県から来てくれていることに涙が出る」との言葉をいただきました。
その言葉を聞き、31年前に自分が三重県の救助隊から掛けてもらった言葉を思い出し、「あの時の恩返しです」と答えました。
今後に向けて
災害時には、行政や消防だけですべてに対応することはできません。
地域や組織、立場を越えて、それぞれができることを持ち寄り、被災された方の困りごとに寄り添いながら支援を積み重ねていくことが重要です。
山口消防防災探究会は、今回の活動で得た経験を今後の災害支援活動にもつなげ、災害から一人でも多くの人を護り、災害に強い地域を創るため、これからも関係団体と連携しながら活動を続けていきます。

