9月5日(土)、岩国市立岩国西中学校において「西中防災キャンプ2026」を開催しました。


今回の防災キャンプの目的は、「南海トラフ巨大地震による災害関連死を0にすること」です。
南海トラフ巨大地震は、近い将来の発生が想定されており、私たちに「パス」という選択肢はありません。
だからこそ今回の訓練では、まず南海トラフ巨大地震について正しく知り、「自分たちの地域で起こる災害」として考えることから始めました。
岩国市では、南海トラフ巨大地震により、最大震度6弱、死者70人、負傷者600人、災害関連死340人、避難者66,000人などの被害が想定されています。
こうした具体的な数字や根拠を示しながら、南海トラフ巨大地震が決して遠い地域の話ではなく、私たち自身が向き合わなければならない災害であることを伝えました。
参加者からは、
- 「他人事だと思っていたが、いざというときのために、しっかりと準備しようと思った」
- 「南海トラフ巨大地震が確実に迫っているという認識が持て、危機感が高まった」
- 「南海トラフ巨大地震の発生時期や岩国市の被害想定など、具体的な数字や根拠を示されたことで、大変意識が高まった」
- 「岩国市の南海トラフ巨大地震による災害関連死が340人とかなり多かったことに驚いた。これを0にできるよう、防災意識を高め、より多くのことを学ぼうと思った」
といった声が寄せられました。
「避難する人」から「避難所を運営する人」へ



今回、特に力を入れたのが「避難所運営ゲーム(HUG)」です。
避難所運営ゲームは、参加者自身が避難所の運営者となり、次々と避難してくる人をどこに受け入れるのか、通路や生活スペースをどう確保するのか、トイレをどうするのか、さまざまな事情を抱えた避難者にどう対応するのかなどを、グループで話し合いながら判断していくシミュレーション訓練です。
実際の災害では、十分な情報や人員、物資がそろった状態で避難所運営が始まるとは限りません。
限られた状況の中で、「今、何を優先するのか」「どのように対応するのか」を自分たちで考え、話し合い、決断していく必要があります。
参加者からは、
- 「避難所でどのような人を優先し、どう対応すれば良いか、イメージすることができた」
- 「様々なことに対して対応することがとても難しかったが、それが大変良い経験になった」
- 「決断力の大切さを知った。災害時にしっかりと決断できるよう、これから防災についてもっと学びたいと思った」
- 「初動の段階でトイレ対策を講じることが大切だと分かった」
など、実際に体験したからこその声が多く聞かれました。
そして、今回の訓練で特に大きかったのが、参加者の意識の変化です。
- 「自分が避難所運営に携わる一員だという自覚を持って、これから防災訓練に参加しようと思った」
- 「避難所は『だれかがやってくれる』ではなく、『自分達がやる』という意識を持たなければ運営できないと感じた」
という声もありました。
「避難所に行けば、誰かが何とかしてくれる」という意識から、「自分も避難所を運営する一人なんだ」という当事者意識へ。
この意識の変化こそ、今回の防災キャンプで大切にしたことの一つです。
熊本地震の現場で見て、聞いた「現実」を伝える


今回の訓練では、熊本地震の災害ボランティア活動で現地に入り、実際に避難所を自分たちの目で見て、現地で直接見聞きしたことについても参加者に伝えました。
災害が起きれば、避難所に行くだけですぐに十分な食料や水、トイレ、寝床、生活環境が整うとは限りません。
「実際の被災地では何が起きていたのか」
「避難生活では、どのようなことが問題になるのか」
実際の災害現場で見て、聞いたことを伝えたことで、参加者にとって避難所で起こる問題が、より現実的で身近なものになりました。


参加者からも、
- 「最初の数日間は、避難所に何もない可能性があるため、自分達で何とか備えなければいけないと感じた」
- 「暑さ・寒さ対策、非常用トイレ・浄水器の備えを、特にしっかりと行う必要があると感じた」
という声が寄せられました。
数字や知識だけでは伝わらないことがあります。
実際の被災地で起きていることを知り、そこに自分たちの地域を重ね合わせることで、「自分たちにも起こるかもしれない」ではなく、「起こることを前提に、今から備えなければならない」という意識につながったのではないかと感じています。
災害関連死は「救える命」

地震の揺れから助かった命を、その後の避難生活で失わせてはいけません。
今回の防災キャンプでは、避難所運営ゲームだけでなく、防災食体験や、トイレ・キッチン・ベッド・暑さ寒さ対策などの「TKB+W」を実際に体験し、避難生活の環境を整えることの重要性について学びました。
トイレ、食事・飲料水、寝床、暑さ・寒さ対策、衛生環境などを整えることは、単に避難所を快適にするためだけではありません。
避難生活の中で命を守るために必要な対策です。
災害関連死には、私たちの備えと行動によって救える命があります。
だからこそ、災害が起きてから考えるのではなく、南海トラフ巨大地震が発生したときに一人ひとりが考え、判断し、行動できるよう、平時から具体的な備えと訓練を積み重ねていくことが重要です。

参加者からも、
- 「少人数でもよいので、防災訓練の回数を重ねていく。危機感を感じたからこそ、世間の必要性の高まりを待つのではなく、訓練回数を重ねていかなければ間に合わないと感じた」
- 「突然くる本番に向けて、スピード感が必要だと思う。早急に地域を含めて具体的な対策を進める必要がある」
という声がありました。
私たちも同じ思いです。
南海トラフ巨大地震への備えに、先送りできる時間はありません。
岩国市でも、これからさらにスピード感を持って防災意識を高め、一人ひとりが「自分たちの地域でも起こる」という当事者意識を持ち、平時から具体的な備えと訓練を積み重ねていくことが必要です。
そして、大規模災害時には、地域に暮らす人たちが互いに支え合い、助け合う「地域の力」が不可欠です。
今回の訓練を一度きりで終わらせることなく、これからも地域で訓練を繰り返し、一人でも多くの方に参加していただき、「南海トラフ巨大地震による災害関連死0」を目指して、取り組みを続けていきます。
最後になりましたが、今回の防災キャンプ開催にあたり、多大なるご協力をいただきました、いわにしネット様、株式会社キロク様、岩国市危機管理課様、自主防災組織の皆様、消防団の皆様、学校関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。


