第1回 US&R JAPAN 参加報告

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2025年12月13日、日本で初めてUS&Rの全国規模の大会「US&R JAPAN」が、福岡県田川市にて開催されました。

山口消防防災探究会は、本大会の運営スタッフとして準備から参加させていただき、大会当日は評価者及び要救助者役として関わらせていただきました。

本大会は、US&Rにおける基本的な知識・技術を、安全かつ確実な訓練を通して習得し、参加者同士の連携力と現場対応能力の向上を目的として実施した大会です。

目次

大会概要

大会名第1回US&R JAPAN
主催インフィニティONE
開催日時2025年12月13日
開催会場T-DRT研修施設(福岡県田川市)
参加形態1チーム6~7名、全4チーム
競技形式完全ブラインド想定
アドバイザー草場 秀幸 氏(在日米海軍統合消防局 佐世保署)

協力団体

全国救護活動研究会のロゴ画像
特定非営利法人 全国救護活動研究会
T-DRTのロゴ画像
T-DRT
九州US&Rのロゴ画像
九州US&R
YFDIのロゴ画像
山口消防防災探究会
PSRUのロゴ画像
PSRU
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特定非営利法人 全国救護活動研究会
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T-DRT
九州US&Rのロゴ画像
九州US&R
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山口消防防災探究会
PSRUのロゴ画像
PSRU

賛助企業

ファーノ・ジャパン・インク
株式会社マキタ
ACTヨコイ株式会社
株式会社みずおか

大会内容 午前(基礎手技訓練)

午前中は、US&R活動の基本となる基礎手技訓練が行われました。

基礎手技①:ヘビーウェイト(重量物取扱い)

基礎手技①では、ヘビーウェイトを用いた3段UP&DOWN及び転がしを実施しました。

重量物を安全かつ確実に扱うための役割分担、声かけ、安定性の確保など、US&R活動に欠かせない基本動作を確認しました。

基礎手技②:ショアリング

基礎手技②では、Tポストショア及び2ポストショアの作成を通じて、構造物を安定化させるためのショアリング技術を確認しました。

水平・垂直の精度、部材選定、確実なネイルワークなど、基礎でありながら現場対応力が問われる内容となりました。

大会内容 午後(想定訓練)

午後からは、実災害を強く意識した2つの想定訓練が行われました。

想定①:ヘビーウェイト&ショアリング

想定①では、倒壊建物への進入口に重量物が存在し、内部進入が阻害されている状況を想定しました。

まず、進入口に障害となっている重量物を除去・安定化させ、安全に活動できる環境を確保した上で、建物内へ進入します。

建物内は不安定な状態が続いており、二次崩壊の危険性を考慮し、ショアリングを実施。構造物の安全を確保しつつ、慎重に活動範囲を広げていきます。

その後、要救助者に接触し、

STEP
安全確保
STEP
要救助者の観察・評価・処置
STEP
救出

という一連の流れを、チーム全体で連携しながら実施しました。

この想定では、「重量物除去」「ショアリング」「進入」「要救助者救出」というUS&R活動の基本となる一連のプロセスを、実災害に限りなく近い形で実施することが求められました。

想定②:木造ブリーチング&挟まれ救助

想定②では、木造建物内でのブリーチングを行い、狭隘空間内に取り残された要救助者が、重量物(梁)によって身体を挟まれ、圧迫されている状況を想定しました。

この重量物は非常に重く、持ち上げることは不可能、また建物の不安定性から切断も不可能という条件が設定されていました。

このような状況は、熊本地震や能登半島地震において実際に数多く発生した事案でもあります。

こうした現場に対応するために開発され、現在主流になりつつあるのが、「押し下げ救助」という救助方法です。

重量物を無理に除去するのではなく、要救助者の下部を切断し、押し下げることで空間を確保し、救出につなげる救助方法であり、極めて高度な判断力とチーム連携が求められます。

この想定において、私は評価者として各チームの活動を間近で見ていましたが、全てのチームがこの状況に大きく苦戦していました。

それでも、どのチームも最後まで決してあきらめることなく、今持てる技術と知識を出し切り、要救助者の救出に挑み続けていました。

評価者・要救助者として見えたこと、そして大会を通じて伝えたいこと

山口消防防災探究会は、評価者として各チームの活動を客観的に確認するとともに、要救助者役として救助される側の視点からも訓練に参加しました。

評価者として現場を見ていると、技術の正確さだけでなく、声かけ、判断のタイミング、仲間同士の連携といった、人命救助に不可欠な要素が活動の成否を大きく左右していることを強く感じました。

また、要救助者役として救助される立場に立つことで、一つの声かけ、一つの判断が、要救助者の安心や恐怖に直結するという、現場でしか得られない視点を実感しました。

そして、この大会を通じて、参加者の皆さんは感じたかもしれません。

現場活動では、これまで積み重ねてきたことしか出すことはできない。

災害は、準備が整った時を選ばず、突然やってきます。

だからこそ、その時に後悔しないために、一日も無駄にせず、積み重ねていくしかない。

人命救助は、本当に難しい。

だからこそ、人命救助には価値がある。

「共に護れ」に込めた想い、そしてこれから

US&R JAPANは、この第1回で終わる大会ではありません。

今後も継続して開催し、US&Rの技術と想いを次の世代へつないでいく大会です。

山口県においても本大会を開催し、実際の災害現場に限りなく近い想定のもとで、判断力・技術・連携力が真に試される訓練を行っていきたいと考えています。

近い将来、南海トラフ巨大地震は必ず発生すると言われています。

九州から山口にかけて想定される被害は、最大で死者数約6万人。

この未曾有の大災害に対応するためには、同じ志を持った仲間の存在が不可欠です。

US&Rは、そのための一つの手段。

自助・共助・公助、すべてが連携し、仲間と力を合わせ、一致団結しなければ、人命を救うことはできません。

上下関係も、変なプライドもいらない。

私たちは同じ目的を持った仲間。

同じ責任と志を持った仲間。

災害大国・日本において、US&Rは必須のスキルです。

全ての消防士、消防団が学び、磨き続けなければならない技術です。

絶対に、日本を護る!

共に護れ!

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