令和8年3月24日、伊佐公民館において、美祢地区鉱業保安対策協議会主催の防災講演会に講師として参加させていただきました。
本講演では、「地震災害から命を守るために」をテーマに、地震発生時の行動や備えについてお伝えするとともに、特に企業における防災対策(防災計画・BCP・ジギョケイ)に重点を置いて講義を行いました。
また、防災のすべての基盤となるのは「自助」であることから、個人の備えについても重点的にお伝えしました。
講演の冒頭では、企業防災における3つの計画の違いについて、整理してお伝えしました。
企業防災における「3つの計画」の違い
企業が防災に取り組む際、中心となるのが以下の3つの計画です。それぞれ目的と役割が異なります。
防災計画=命を守るための計画
- 避難
- 安否確認
- 初動対応
→ 人命の保護が目的
BCP(事業継続計画)=事業を止めない・早く再開するための計画
- 重要業務の優先順位
- 代替手段の確保
→ 事業の継続が目的
ジギョケイ(事業継続力強化計画)=無理なく始められる簡易版BCP
- 人・モノ・カネ・情報の具体的対策
- 国の認定制度あり
→ 今すぐ実行することが目的
これらの計画を自社の状況に合わせて策定し、運用していくことが、真の企業防災へとつながります。
また、防災のすべての基盤となるのは「自助」であることから、個人の備えについても重点的にお伝えしました。
美祢市は“被災地にならない”とは限らない

南海トラフ巨大地震が発生した場合、美祢市は沿岸部と比較すると直接的な被害は少ないと考えられます。
しかし、被害が少ないからといって安全とは限りません。
むしろ、被災地を支える“最前線の支援側”になる可能性がある地域です。
助けられる側か、支える側か。
それは、「今の準備」で決まります。
災害時、会社は「壊れなくても止まる」
大規模災害が発生すると、
- 電気・通信の不安定化
- 物流の停止
- 人員の不足
などといった影響により、建物が無事であっても事業は確実に停止します。
実際には、災害で潰れる会社は少ない。
“止まったまま戻れない会社”が潰れる。
という現実があります。
企業防災(企助)が地域を支える

企業防災、いわゆる「企助」は、防災の三助(自助・共助・公助)のすべてにアプローチすることができます。
企業が備えることで、これら三助をそれぞれ大きく、強くすることが可能になります。
南海トラフ巨大地震のような大規模災害では、直接的な被害が少ない地域でも、
物流の停滞や生活環境の悪化など、間接的な被害は必ず発生します。
その結果、
- 事業が再開できず廃業に至る企業
- 災害関連死の増加
といった二次的被害にもつながります。
だからこそ大切なのは、力を合わせることです。
まとめ
一人ひとりの備え(自助)、地域の支え合い(共助)、そして行政の支援(公助)。
そこに「企業」という存在(企助)が加わることで、
地域の防災力は確実に強くなります。
最後に
今回の講演の機会をいただきました美祢地区鉱業保安対策協議会の皆様に、心より感謝申し上げます。
今後も、地域・企業の防災力向上に向けて、実践的かつ現場目線の活動を継続してまいります。

